脳の動きを具体的に見てみるのも面白い。

想像することは、まずは連想から。

 先日、つまらない失敗をしてしまいました。
75歳からは自動車免許の更新時に、認知症の検査をすることを義務付けられています。内容的には簡単なものなのですが中のひとつに線描きの絵を16点見せられ、10分間くらいは他のテストを受けたあと、さて、16点の絵は何が描いてあったのかを、答えるものがありました。
 私は常日頃から、「想像力を使えばいろんなものが解決するよ」と、言ってはいるのですが、そのテストの時には、「もうすこし、年寄りがみても解りやすい絵を描けばいいのに・・・」とか、つい、テストのことを忘れて対象物が線描きされた絵の出来具合に、脳が反応してしまいました。

自分との関係を連想すると記憶しやすい。

 10分後に、その絵には何が描いてありましたか?と、いう質問に6点しか答えることができませんでした。次のページをめくると16点の絵に、少しのヒントになるフレーズが添えてあり、それを参考にすると12点までは思い出すことができたのですが、
1回目の質問に対して憶えていた絵が6/16とは情けないものでした。
 改めて、脳の働きを知ることができた感じです。正確に脳を反応させるためには五感を使い、自分の中に情景をつくってみればいいはずです。
 例えば、秋刀魚の絵、ソファーの絵、スニーカーの絵があった場合、その絵を自分の連想の中で、秋刀魚を焼いた秋の味覚としての情景を思い出し、あのジューっとアブラの落ちるシーンまで連想し、ついでに、大根おろしも欲しいなーとか。ソファーの絵ならば、あの座り心地の良いソファーは、テレビとポテトチップスがあればちょっとした劇場だなーと、五感を使い記憶すれば簡単に忘れることはできないはずです。

脳は不必要と思うものは、捨てていく。

 それにしても、10分後には、見たものを忘れてしまうのは、脳が正常な働きをしているからだろうと思います。視覚は朝起きてから会社に着くまでの約2時間ばかりの間にも、ありとあらゆるものを見てしまい、それを選分け、必要なものだけを憶える仕組みだろうと思います。そのテストを私の脳が「つまらないことを・・・」と拒否反応をしたようです。
 結論的に言うと、あの認知テストの方向は年配者にとっては少し不親切ではなかろうか?
それに、担当教官の方のモノの説明の仕方にも不満が残りました。

伝え方は、ヒトとの関係では大切な課題です。

 日頃から、モノを伝える仕事をしていると、プライベートでのモノの伝え方にも敏感になってしまいますね。例えば、お医者さんの〇〇先生も、講師の〇〇先生にも「もう少し、言い方を変えれば伝わるのに・・・」と、いつも考えてしまいます。職業病ですかね。
 
 先の認知症のテストは、ギリギリで合格でした。五感を使い、自分との関係を想えば、最高点で合格したのに・・・と、いろいろ刺激を受けた秋の面白い一日でした。

<校友会 SO-ZO-NE 会長 村中 凱>