「デザイナーは問題解決を楽しめる人」でありたい。

世の中の仕事や出来事は、ほとんどすべてが企画化と具現化で成立しているようです。0を1にするのが企画で、1を2にするのが具現とも言えそうです。「こんなことがあればいいなー」とか、「こうなればいいのに・・・」と、思うことが企画で、その企てたものや考え方ををいかに具体化していけばいいのかが具現です。

私は、これまでの仕事の大半が、企画70%、具現30%くらいの比重だったと思うのですが、いま、思うと考えがいたらなかったことがありました。自分がつくったものに、冷静な判断を下す時間がなかなかとれなかったことです。推敲する時間がとれていませんでした。デザインは受注仕事が主ですから、その上、忙しさにかまけて、突っ走りがちになるのも、無理はないのですが・・・。

このところのコロナ禍で時間が出来たために、生活のパターンを少し、考え直してみようと思い、いろいろなことを始めました。

その1: 朝、バスで通勤しているのですが、あるテーマを決め、会社についたら、すぐそれを、自分なりにまわりの小物を使い撮影してみることにしています。見える化する脳の訓練です。

その2 : 絵を集中的に描いているのですが、仕上がったものを机の前に置き、絶えず3枚ぐらいを朝の新鮮な目にさらし、改良点を探しています。

その3 : 短い文章も書かなければいけない時があるのですが、それも締め切りの4〜5日前には仕上げ、毎朝、新鮮な頭に批評をさせています。読み手の心に届けられるかを、冷静に判断させています。

その4 : 毎朝の定例行事になりましたが、すべての事象をWHY?→HOW?→WHAT?の順に語ることが出来る様に頭を整理しています。etc.

ヘミングウェイが、仕上がった小説をトランクの内にしまい込み、時間が経ち、それを眺め、良しとしたものを発表していたということを読み、朝のスッキリした頭のフィルターを、何度か通せば、納得できるものに近づくのではないかと、思い始めました。ある絵なんか、朝が来るごとに改良点が見えてきて、毎日、加筆することもありました。又、デザインってこう勉強すれば、いいデザイナーが育つという方向も見えてきました。この話は後日。

どうも世の中、新しい生活様式を考えなければいけないようです。自分が今、出来ることを楽しめればいいですね。

村中  凱