第11回大人を学ぶ学校「ジブリのハウル城から巨大ホルスタインまで、模型屋の苦労と技を学ぶ。」

2023年9月23日、第11回「大人を学ぶ学校」がアートフェアと同時に開催されました。
日本デザイナー学院のグラフィックデザイン科を卒業された後、株式会社スタジオ・ギヤを設立され、模型制作の世界で活躍されている成澤一広様を講師にお迎えして「ジブリのハウル城から巨大ホルスタインまで、模型屋の苦労と技を学ぶ。」というテーマで講義が行われました。

空港に設置され、今でも見ることができる動く「ねぶた」のオブジェやワンピースの「チョッパー」の模型の制作秘話、ドラマの撮影セットの模型のお話、自由が丘にある6mもの牛の制作から搬入・設置までの巨大であるが故の苦労話等、他にも制作された多くの模型のお話を伺うことができました。

スタイオジブリの「ハウルの動く城」の模型制作では限られた2次元の資料から、想像で制作するしかない部分の許諾を取りながら進めていく難しさや、仕上げの素材の選択判断方法、部屋の模型の梁や手摺についているリアルな蜘蛛の巣の制作方法(企業秘密)についても話してくださいました。

最後に「ハウルの動く城」の模型用に制作された実際の小物を見せていただきました。その精巧な出来栄えにみんなびっくり。3Dプリンターの技術が年々進化していて、昔のように一から手作りする工程は減ってきたものの、塗装についてはまだまだ人の手の技術には遠く及ばないとのことでした。

成澤様からは、模型制作というビジネスは、その緻密さや精巧さばかりに拘るのではなく、最終的な仕上げとコストのバランスを見極めて納期を守ることが一番大事なことであると締めくくっていただきました。

お話の途中でも気さくに質問に答えてくださり、第11回「大人を学ぶ学校」の講義は、終始和やかな雰囲気で楽しむことができました。

成澤様、ありがとうございました。