桜が満開の中の入学式、明るい気持ちになりますね。
技術ではなく、考え方を教えるには相当の覚悟が必要です。
2023年の後期より卒業制作のお手伝いをしてみて、改めて感じたことを書いてみます。デザインを短期間( 今回は6ヶ月+αでした )で、教えるのは、大変難しいことだなーと感じました。これまでは、1年間あれば企画から具現までの流れを一応は伝え切ることができると判断し、他の先生方とも歩調を合わせながら進めてきた45年間でした。
しかし、卒業制作の出来具合に責任を持たなくてはいけなくなると、アレコレ伝えきれていない部分がたくさん見えてきて、自己採点すれば、70点くらいの出来でした。
60歳になった時、自分なりの「デザインとはこういうものだ」。だから、「こう教えていけばいい」し、「これだけは学生時代に学んでほしい」というデザイン論みたいのものを組みたてました。
1年間のスケジュールを組み、「ここまで学んでくれれば、どこに出しても恥ずかしくない」と考えるのと、「6ヶ月で恥ずかしくないものを仕上げさせる」には相当、違いがあるなーと、改めて感じた次第です。
デザインするって、その時代と添い寝をする必要がある。
2020年の4月より、新1年生に対して特別授業のようなものをやってきました。「デザインって、こういうものだから2~3年間、思いっきり楽しんでね」というような内容です。今年もこれをやるにあたり、進行するための原稿をつくっています。1983年から2013年までの卒業制作作品を見てもらいながら、まずは2年後の卒業までにはこんな意識をもって学生時代を過ごしてほしいなーを話そうとしています。
1993年頃までは、絵を描くのが好きな人が多かったため、図像を上手に使ったポスターづくりが多いようです。2003年頃までは、表現の幅がひろがり思いきりのよい作品づくりが目立ってきました。2013年頃までは伝えたいことにどのような図像を添えるのかと、本格的な作品づくりが目立ちはじめます。
自分は、こうだ!と言いきるには、納得が必要かもしれない。
学生さんの作品づくりのことを書いていましたら、少し自分のことを書きたくなりました。ホテルのコミュニケーションの仕事をやっているのですが、そこに登場する人々にはそれぞれのドラマがあって面白いなと思い、絵と文を組み合わせて、1分間の物語みたいなものをつくりはじめました。
その行程のなかで、1秒間にもドラマがあるはずだと思い、「微熱のある風景」と題して、女性の目ををドアップにした絵にショートストーリーを添えはじめて、113作目、やっと、描き方がわかったような感じです。この感じがあと10作くらい続くとシメシメなのですが、どうなんですかねー。毎日がワクワクしはじめています。
校友会からのお知らせ。
・4月4日に入学式がありました。( 別コーナーで詳しく報告される予定です )
・4月10日に先に書いた特別授業をやってきます。( 新1年生には、納得できる 2年間を過ごしてほしいものです )
・5月8日に校友会役員ミーティングがあります。 時間があれば、遊びに来ませんか。
<校友会 SO-ZO-NE 会長 村中 凱>