スポーツは、やはり、美しい。

オリンピック開会式のドタバタ。

 オリンピックも終わり、次はパラリンピックの開幕を待つばかりになりましたが、みなさんは、いかが感じましたか?
オリンピックの開会式、私は、情けないものを見せてしまった日本に憤慨し、なんとも不様な開会式だったなーと嘆いています。
その原因は、おおよそ分かってはいるのですが、自分が納得いくまで検証しておりませんので、この場での発言は止めておきます。
そのかわりと言っては変なのですが、自分がしでかしてしまった不様なオリンピックに関係した話をしてみます。

デザイナーができることは何か?

 1998年、冬季オリンピックが長野で開かれました。その時のパラリンピックでの話です。パラリンピック選手達の強化費用も乏しいとの話を聞き、当時、私はディレクターだけを集めた企画力抜群のイケイケ集団を統率しているつもりでしたので、気持ちに余裕が多少あったのでしょう。カレンダーを全国に売り、それを寄付してあげようと考えました。著名人、文化人、スポーツ選手に、あるテーマで絵を描いてもらい15日で1枚、12ヶ月で24枚のカレンダーをつくろうと企てました。

 3,300枚を印刷し、3,000円で全国のみなさんに買ってもらえば、約 1 億円、集まることになります。大きなスポンサーが付いているわけではなく、市井の企画制作会社が何かをやろうとしているわけです。著名人には絵の依頼をし、カレンダーのデザインは自分の事務所でやるにしても、印刷会社と交渉し、全国からの注文を受けつけるテレホンサービスと交渉し、配送会社との打ち合わせ。プロデューサーとしての仕事は山ほどあります。

 ・・・でも、行動の根底に流れているものは、「パラリンピックの選手達に、もう少し何かのお手伝いはできないか?」という気持ちと、許されている時間が少なかったものですから、制作会社としてはネジが少し緩んでいる( 遊び心のあるという意味です )俺たちにしかできない芸当ではないのかという変な自信もありました。

たくさんの方々に、お世話になりました。

 北野 武さんはじめ24名の方々から、絵を提供していただきました。全国に告知したいものですからツテを頼って、NHKの有働由美子さん( 当時はNHKでした )、フジテレビの安藤優子さん(安藤さんには絵も描いてもらいました )には、快く放送で告知してもらい感謝しております。パラリンピックが終わったあたりでは、約9,000 万円集まりました。

 しかし、この件が元で、会社を潰さなければいけないことが起こります。仲間が、売上金を持って逃げてしまいます。
パラリンピックには、寄付をすることが第一ですから、それを完遂してから、あとは事務所の問題です。各所への支払いが残ります。・・・というような、不様なこともありました。その当時から、20数年経っておりますが、今も変わらず、企画して、モノゴトを動かしていくのが好きなのも、血なんでしょうかね。

 2021年、東京オリンピックの開会式等の不様さ、あんなに輝いているスポーツ選手に失礼な振舞いだろうと感じています。その上に、デザイン業界のだらしなさを表に出してしまったことも。
酒を飲む機会が、許されるようになった時には、みなさんと話してみたいテーマです。

<校友会 SO-ZO-NE 会長 村中 凱>