基本がしっかりしていると、アレンジがへっちゃら。
基本を突き詰めると「型」が生まれる。
テレビを観ていて、ナルホドなーと思ったことを書いてみます。六代目 中村勘九郎さんが言っていたことなんですが、お父さん( 十八代目 中村勘三郎さん )の躾が厳しかったという話です。特に食べる仕草には、うるさかったそうです。芸事は、他人様に観られる仕事です。食べる動きはヒトとしての原始的なもののため本能が出てしまう。だからこそ、形式にのっとり美しくあるべきだ・・・ということでした。そんな中でも、印象に残っていることがあります。「型」についての話でした。
「型」は、以下のように分けられるようです。
「型」かた・・・・・個々のかたちの元となると考えられるもの
「型」ケイ・かた・・模範となるもの、手本
「型」ガタ・・・・・その典型的な様子をもっていること
「型」があってこそ、次の発展があり、次の時代の新しい様式も生まれる。オチとしては基本となる「型」を大切にすることで、「型」やぶりも活きてくるし、「型」ナシにならないように精進しなければ、という話でした。
原型から、枝・葉が育っている。
2020年の春の頃から新型コロナの影響で、これまでの生活スタイルを変えなくてはいけなくなり、時間もできたせいもあるのですが、出来事やモノゴトを、いろいろ考えてみるクセがついてきました。例えば、「思う」と「考える」はどのように違うのだろうか?とか。目の前のものを、ただ眺めて終わりではなく、そもそも、これは何なのだ?と、イジクリまわすクセがついてきました。
そんな中で、「型」の大切さを聞いたものですから、自分はどんな「型」をこれまでに育ててきたのだろうかと、振り返って見た次第です。こんなことも、学びました。
- ステレオタイプ( 典型 ): 特定の何かや誰かに代表されるもの
- プロトタイプ ( 類型 ) : 一般的な概念によって示されるもの
- アーキタイプ ( 原型 ) : 文化や文脈の奥に秘められるもの
例えば、「カフェ」を説明する際に、「コーヒーが飲めるちょっと洒落たお店」というのは、「プロトタイプ」( 類型 )的な説明で、「スタバとか・・・」といえば、ステレオタイプ ( 典型 )です。「憩いの場」や「休憩処」、最近では「ワーキング・スペース」「作業場」といえば、「アーキタイプ」( 原型 )です。
「・・・とは、そもそも」を考えるクセをつける。
典型や類型は、表に現れてきているものですが、原型はわたしたちの意識や記憶や文化の奥に潜んでいる原型性です。 そこで、私たちが、ことの本質や本来の価値に近づくには、アーキタイプ ( 原型 )を見なおしてみる必要がありそうだと気づきました。
- ステレオタイプ ( 典型 )は・・・・・・・と、いえば
- プロトタイプ ( 類型 )は・・・・・・・・とは、つまり
- アーキタイプ ( 原型 )は・・・・・・・・とは、そもそも
と、言い直してみると、いろんなことが想像できるようになってきました。身のまわりの、気になっていることを、掘り下げていくと、楽しい時間がタダで手に入るかもしれません。
<校友会 SO-ZO-NE 会長 村中 凱>