目的を決めると方向性が見えてくる。

「なんのため?」って考えると、アタマが動きだす。

 仕事でも個人的なことでもいいのですが、何かの依頼をされたとき、気持ちがうまくのらない時はありませんか?その大きな原因は、やるべきことの目的が自分のなかで、はっきりと意識できなかったり、その目的のためには」「どうもな~」と、自分の気持がその方向に向かってくれないことにあるようです。

  依頼を受けたり、何かに向かうときのコミュニケーションで、双方が納得できるヤリトリさえあれば人間ってその方向に向かい知恵を働かせる生き物であると、ある本で読みました。それにながいこと遊んだり、ときどき仕事をしたりしてますと、スタート時点での心の持ち方が何日後か何ヶ月後の仕上がりに大きな差が出てしまうことも経験してきました。

  ヒトは一人では生きていないわけですから、何かをやろうとしたり企てたりする時はお互いの間の目的をしっかり確認することが大切だよなーと学んだりしてきました。

相手が「そうかも!」と、思ってくれれば話が動きだす。

  先日、新一年生に特別授業みたいなものをやりました。過去4回くらいやっているのですがその都度、デザインを勉強する前にこれだけは知っておいて欲しいなーというものを伝えてきたつもりでした。
 
  でも去年、卒業制作を手伝ってみて、新一年生の4月には、あまり難しいことを喋っても伝わらないなーと感じました。先に書いた目的が共有されていないんですね。こちらは、勉強する前にこれだけは知っておいてちょうだいよと話を進めているのですが、受け手との気持がうまく交わっていないんですね。

  詳しくはこれから受けるそれぞれの授業で学んでくれればいいので、その下準備として「これだけは意識しておいてね」と語りかけ、これで良しと満足するのですが、受ける側は「なにそれ?」とか、「当たり前でしょ!」とかと反応したときはダメで、「そうかも!」と思えないことには反応しずらいんですね。目的を共有できていないとも言えますね。

WHY?がわかれば、頭を動かす方向が見えてくる。

 今、新一年生が気になっていることは何かを考えてみると、「2年間、上手についていけるだろうか?」とか、「2年間でうまく就職できるだろうか?」とか「2年間、楽しく過ごせるのだろうか?」なんですね。多少の差こそあれ、みなさん不安がいっぱい・・・なのが普通ではないかと感じました。

  そこで今年は作戦を変え、卒業する頃には、こんなのを創って卒業し、社会人になっていく・・・という見本として、過去の卒業制作作品を見てもらいました。1983年卒から2013年の卒業までのおおよそ150点ばかり。

  目的は「つくることは面白いし、自由であるし、人を幸せにする」をわかってほしい。でした。作品によっては好き嫌いがあるのは当然ですが、( 時代も違うし、想定ターゲットもさまざまですから )少なくともみなさん、そんなこともしていいのか~とか、つくることってなにか面白そうだなと、感じてくれたみたいです。2年先が楽しみになっってきたというような表情を浮かべていた学生さんが多かったようです。

  まとめると、「目的は何か?をしっかり確認しあうことでコミュニケーションにしろ、行動にしろ、意見交換にしろ、全てがスムースに動き始めるようですね。」試してみてはいかがでしょうか。

<校友会 SO-ZO-NE 会長 村中 凱>