時間の使い方を設計し直してみるのも面白い。
没頭する時間の大切さを知った。
2022年11月20日に事務所を引っ越しました。
27歳と10日で、南青山に事務所をつくり、48年間も外に仕事場のような、遊び場のような大人の秘密基地のようなものを持っていたわけですから、いざ事務所を自宅に持ってきて、一緒に働いていた人たちとはリモートで仕事をしていくとなると、どうなるのだろうかという未体験の不安もありました。
引っ越しを済ませ、毎日、朝から晩まで潜水艦の中で好きなことをやっているのも楽しいものだなーと思えてきました。
一応、自分の部屋に、事務所から必要最低限のものを持ち込みました。
これまで少しは、ゆとりがあった部屋も書類や資料、そして描き溜めている絵のボード類でいっぱいになり、机の前の椅子を中心にクルリと廻れば、ほとんどのものに手が届きそうになる仕事場が出来上がりました。まるで、潜水艦の中のようで機能的だなーとも感じています。
デザインするって、面白くもあり、大変です。
ずっと昔、制作会社や広告代理店にいる頃から、現在の稼ぎの5倍くらい、一人で稼げるようになったら所属している会社から独立しても、同じくらいの生活を維持できると先輩方から教わってきました。今までは所属している会社から給料をもらい、交通費から、仕事で使う資料、材料等は何の心配もなく配給されていたわけですから、独立して一人になると、すべて自分が稼ぎ出した中から賄っていかなければなりません。そんなわけで、独立に際しては、稼ぎ出す額が給料の5倍くらい・・が一応の目安になるんですね。
そのうち、スタッフも増え、5人となり10人、15人以上となるともう、デザインどころではありません。スタッフのために仕事をとってきて、給料を払い、家賃などの固定費を払い、残ったものが自分のところへ来るという計算です。
デザイン料( 制作料)だけで、月に1,000万以上稼がなければ回転させられない時季もあり「デザインはそんなに儲からない・・」と分かり始めるわけですね。儲けることがすべてではないのは、わかってはいるのですが・・。
妄想時間が、次の何かを連れてくる。
こんなことを重ねていくうちに、50歳の頃から「一人広告代理店」になればいいんだと思うようになりました。営業ができ、企画ができ、デザインもするけど絵も描ける。なんなら、文章も書いてみましょうかって感じです。モノの企画から何から何まで「村中に頼めば一気通貫で何でもできる」となり、仕事の幅も拡がってきました。
でも、人間、欲のカタマリなんですねー。73歳からは好きなことをやって暮らそうと思っていたのですが、どうも81歳までは「もっと社会に恩返しをしろ」と命を受けましたので、ならばもっと、24時間、自由に働き、時間を気にせずあることに没頭したり、妄想したい。そのための引越しでもありました。自分の時間に籠ることもでき始めました。
とは言いながら、人間に大切なことは、出逢いです。その出会いが人生を変えるんですから、どんどん外に出かけましょうね。私も週に1〜2度は、出逢いを求め、刺激を受けるために渋谷に出掛けなければいけない予定です。
たまには、遊んでくださいませ。機嫌のいい年末と、気分のいい新年を。
<校友会 SO-ZO-NE 会長 村中 凱>