共振って、すごいですね。

書いたり描いたりすることは、自分の満足のためと最初の頃は思っ  
ていたが、誰かがあの絵に心が動かされたとか、あの一行に泣けた  
とか、勇気づけられたと言ってくれることに接しているうちに、そ  
れらは誰かを幸せにするためにやっている私の原始的で初歩的な行  
動のひとつではなかろうかと思えて来た。  

私の、その行動の視線の先には、暮らしの中のなんてこともないシ  
ーンだったり、所作であったり、会話だったりがある。  
どうもその辺りが誰かの琴線に触れているようだ。  

描いたり、書いたものが誰かに届き、共振が起きて共鳴となり、受  
け手の心を優しく包み、幸せの芽が生えるらしい。  
そして幸せって、何の心配事もなく、満ち足りた気持であろうから、  
些細なことからも共振は生まれてくるのかなーと思い始めた。  

誰もが見逃しがちなシーンや、どんな瞬間にも共振の芽が隠れてい  
て、それをすくいあげ、誰もが共感できる普段着の言葉や絵で表現  
する方が人の心の奥深くまで届くのよね。と、あの方が言っていた  
ことも思い出した。そして教わりもした。  
大向こうを唸らせるこれ見よがしの技巧に、何とはない下品さを感  
じ始めてしまっていたからこそ、誰かに幸せの芽を届けるちいさな  
作業が心地よいものになって来た。これからは、真正面から普通の  
ことを真面目に正直にやっていこうと思う。2019年 元旦。  

以上が、来年度の年賀状に使うつもりの文章ですが、実は、2017  
年の4月から俺の心は何を見ようとしてるのか?をしっかり視つめて  
みたくなり、「心の視線」と言うシリーズで絵を描き、短い文章を  
添え始めました。今年の末までに39点が仕上がります。  
その途中から、上記のような気持が芽生えて来ました。皆さんすべ  
ての方には年賀状が出せませんので、これを年末のご挨拶と、年頭  
の抱負に代えさせていただきます。  

<校友会 SO-ZO-NE 会長 村中 凱>